2008年11月18日
カチンコチン
とある挨拶の風景。
その人は、これ以上ないってくらい緊張していました。
足が震え
息が浅くなり
口が思うように開かない
それでも、マイクをぎゅっと握り締め、
自分の言うべき挨拶の言葉を、
乾いた唇の隙間から、必死に搾り出していました。
倒れてしまいそう・・・
ハラハラと見守るしかない私。
額を流れる脂汗
震える手足
全身から漂ってくる「緊張」
その姿を見なくても、伝わってくる「緊張」という空気の振動。
ふとお客様を見て気付きました。
皆一様にこわばって、心配そうにこちらを見てる。
“聞いてる皆も緊張してる!”
緊張感の連鎖反応が起きていました。
私の心臓の鼓動も、早くなっている気がしました。
空気は伝播する。
本当にそうだ。
例え自分がそういう気分でなくても、
嬉しそうな人を見ているとだんだんと嬉しい気分になったり、
悲しそうな人を見ているとだんだんと悲しい気分になったり、
楽しそうな人を見ているとだんだんと楽しい気分になったりする。
空気は必ず伝播するんだ。
彼が挨拶をし終わり肩の力を抜いたとき、
それと全く同時に皆の力が抜けたのを感じました。