“ことば”のちから

ことばってすごい。
すごいすごいとは思っていたけど、
やっぱりすごい。

何がすごいって、そのちから。
そのパワー。
その創造力と破壊力。

こんなにありとあらゆるちからを持ったものが
他にあるかしら。
ちょっと思い浮かばない。

ことばのちからを前にしては、
他のどんなことも無力。
そんな気がしてならないのです。

そして一番特徴的なのは、
誰かのことばは自分の心に、
自分のことばは誰かの心に、
静かに降り積もっていくということ。

あれは小学生のとき。
「サイン帳」なるものが流行りました。
卒業のときに、みんなに一枚ずつ配って、
プロフィールやらメッセージなんかを書いてもらうというもの。

とある友人が書いてくれたサイン帳。
メッセージのところにこんなことが書いてありました。
「タイトルは忘れたけど、
国語の時間に、朗読で当たったえなちゃんが読んだ、
“いらぬお世話はしないことだ”という台詞。
そのことば、その声が忘れられないです。
えなちゃんというとあの光景が浮かびます。」

なんちゅー覚えられ方だ(笑)
しかもなんちゅー台詞だ(^-^;
しかも教科書の。
しかもタイトルもわからないお話の。

びっくりした。
さっぱり覚えていなかったから。
当てられて読んだことさえも。

でも、彼女の心に残ってた。
卒業のお別れのメッセージ、
そこに書こうと思った私へのメッセージは、
私が発したことばでした。

そしてそんな彼女のメッセージは、
こうして私の心に印象深く残っているのです。

ことばが人を印象付けることがあります。
ことばと人がリンクすることがあります。

ことばは誰かの心に残り続けていくことがあります。
しかも自分の知らないところで、知らないうちに。

それはステキなことでもあり、コワイことでもあり。
だからこそ、使い方は慎重に。

そんな話を講演などでもしていたら、
最近、皆さんからのことばの相談も多くなってきました。
「このことばってこんな感じだと思うんですけど、どう思います?」とか、
「こういうことばっていいよね」とか
「この言い方って他にいいことばないのかなぁ?」とか。

ことばの正解って難しい。
たとえどういうことばを使うにしても、
大切なのはまず
『“ことばのちから”を理解して使う』
ということではないか、そんな風に思います☆

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