スタッフのつぶやき
お盆休みいただいてました!

こんにちは、河野です。まだまだ暑いですがみなさまいかがお過ごしですか?
私は、お盆休みをいただいてましたー。

同じ時期に、白鳥光さんは、シアトルに行かれておりました。
レポートが届いたので、みなさまにお届けいたします!!

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白鳥 光 の 喜怒哀楽
? 感情は感性を磨き 感性は幸福を招く ?

06年8月 シアトル紀行

1.怒りの搭乗編

アメリカ・シアトルに飛び立った。

企業研修をビジネスとするTPI(The Pacific Institute)の世界大会コンファレンス出席とスポーツ・メンタル・トレーニングの個人指導のためだ。

米国へのフライトといえば、私には強烈な思い出がある。
2001年9月、1週間でニューヨークとロンドンをまわるビジネストリップの期間に9・11NY同時テロが発生した。前日まで仕事をしていたワールド・トレード・センター(WTC)ビルは自爆テロ化した旅客機により崩壊した。

私がJFK空港に向かうためイエローキャブをその場で拾ったのは事件の2時間前のことだ。ロンドン行きのブリティシュ・エアー・ウェイ(BA)に乗り込み、ゆっくりと滑走を始めた時に機内アナウンスがあった。「この飛行機に爆弾が仕掛けられている可能性があるので引き返す」と。

機内は落ち着いていた。
空港内のBAラウンジではテレビニュースの映像が流れていた。ビルから煙が出ている映像だ。飛行機がビルに突っ込んだと説明している。私は個人用のセスナ機が誤ってビルに突っ込んだのだと思っていた。ジャンボ・ジェット機というのは、どう考えても考えられない。ひょっとするとこの映像自体が映画の作り物なのでは、と思っていた。
しばらくして、機関銃の安全装置をはずした機動隊がチームに分かれて空港内を疾走し始めた。

パニックが起きようとしていた。

周りの外国人が騒ぎはじめる。ラウンジには50人ほどの人がいたが、日本人は私一人だ。意味のわからないヒステリックな英語が部屋を包む。いったい何が起きたのか、これからどうなるのか、誰にもわからない。不安が不安を生む。自分の生命も危機にさらされている雰囲気は誰もが感じていた。遠く離れた日本航空(JAL)のカウンターでは、恐怖を感じた顧客の罵声と「わかりません」としか言わない従業員の間で一触即発の状態だった。

そんな時、救世主となる一人のリーダーが現れた。
ブリティシュ・エアー・ウェイ(BA)の責任者だ。黒を基調としたパイロットの制服をまばゆい金の刺繍が覆っている。40代後半のショーン・コネリーといったところだ。彼の態度と姿勢は自信にあふれ、非常に優しい声でゆっくりと状況を説明しだした。

飛行コントロールセンターのWTCが破壊されたので4日間は飛行機が飛ばない、と断言した。なぜ、そこまで言い切れるのか不思議だったが、実際に一番機がニューヨークを飛び立ったのは本当に4日後のことだ。そのあと、一人一人に今後の対応について回答した。家やホテルへの帰り方を指示する。ニューヨークに滞在場所がない者にはBAからホテルを提供するという。そして、希望する航空会社の飛行機が飛べるようになるまで、滞在費はBAで負担するというのである。

そのころには、パニックの空気は完全に消えていた。
誰もが落ち着き、お互いに助け合う姿勢が出来ていた。会話に加われなかった私に対しても、いろんな乗客たちがいろんなサポートをしてくれる。冷蔵庫からフルーツを持って来てくれたり、お酒や食べ物も持って来てくれる。一番ありがたかったのは、当時はまだ十分に普及していなかった携帯電話を貸してくれたことだ。危機の時に知人と連絡をとれることは、飲食と同じほどに重要なことだ。ストレスを解消し、あらたな行動をとる勇気を与えてくれるのである。ただ、このときは話をすることは出来なかった。通じないのである。電話の回線の問題もあったが、そのとき事務所のあったWTCビルは崩壊していたから。

あれから5年。私が海外に行くたびにアルカイダの武装集団は活動を起こすようだ。

今回は水にみせかけた爆弾によるテロ行動が未然に摘発された。これにより、液体は機内に一切持ち込めなくなった。ペットボトル、目薬、化粧品、歯磨きチューブ、すべて没収。女性にとっては大変な事態だ。空港内のセキュリティー・チェックを済ませ、飛行機に乗り込む前にお土産として免税店で買ったクリスチャン・ディオールの香水まで没収された人たちもいる。ビジネスマンもパソコンを持ち込むときは、電源を入れて起動するかどうかをチェックされる。起動したときに爆発する仕掛けパソコンがあるからだ。立ち上げた後電源を切るまで時間がかかるので、大きな迷惑だ。長蛇の列が出来上がる。

全員が左右の手の指紋を取られ、目の角膜の写真も取られてデータ化される。出国時にもやられるのだが、照合したときに自分の名前がモニターに表示されたのにはビックリした。名前は一度も入力していないのに、なぜわかるのか?パスポートから読み取ったのだろう。ボディ・チェックでは、ベルトをはずし、靴を脱がされ、裸足で歩かされるのである。飛行機に乗るためには、犯罪者扱いの待遇に耐え、疲労を倍加させる手続きの数々に我慢しなければならないのである。機材調整といえども4時間も出発を遅らせるな![安全]より「時間通り on Time 」を優先しろ!大阪のいらち体質を持つ私の叫びだ。 

怒りから始まった06年夏のシアトル紀行である。      

つづく
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予告
2.歓喜のシアトル・マリナーズ編
3.感動のTPI物語
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PCのチェックまでされるんだって?、社内でそんな話をしたら、「身軽が一番ってことやね」と大谷さん。シンプルな結論に思わずうなずく私でした。

◆白鳥さんの次回セミナーは、こちらです。

投稿者 workstyle : 19:53 | コメント (0)
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