ウルトラセブン ・・・
パチンコの話ではない。 若い男優を追いかけるママさんの話でもない。
1967年~68年、円谷プロダクションが製作した怪獣物の特撮TVドラマ。
1966年生まれの拙者が見たのは、小学生の頃の再放送である。
ヒーローものだが、この作品、非常に重いし暗い。 視聴率は低下傾向だったという。
しかしこの番組は、いまだに拙者の人間形成に大きく影響を与えている。
先週、同世代で酒を飲んだ時、ウルトラセブンから社会世相、宗教哲学に話が飛躍した。
何が暗いのか。
小学生を対象にしているはずなのに、テーマは大人向きの、「反戦・正義とは何か?」である。
当時はベトナム戦争の是非が問われていた時代。 沖縄は米国であり戦闘機発進基地だった。
「超兵器R1号」では、核兵器の保有競争を「血を吐くマラソンだ!」とのセリフを言わせている。
「遊星より愛をこめて」では、被爆星人という紹介が社会問題となり欠番(放送禁止)となった。
そして、「ノンマルトの使者」
地球防衛軍が海底に怪獣を発見。侵略阻止を助けるセブンと共に退治し、平和が保たれた。
しかし、その怪獣は本当の地球人であり、地上にいる侵略者地球人から逃げ隠れた人たちだった。
最後に事実を知った諸星ダンの苦悩の表情を残してフェイドアウトする。
これを見て小学生・白鳥光は大きな衝撃を受けたのである。
思い当たる人類の歴史を知っていたからだ。
アメリカ人はインディアンを追い出した。 弥生人は縄文人(アイヌ)を追い出して日本を作った。
このテレビ番組は、アメリカ人や日本人は、実は侵略者であることを、伝えたいのか???
地球の侵略を守る正義の味方セブンが、侵略者地球人の味方をしている矛盾!!!
1993年(白鳥27歳)、NHKで「私が愛したウルトラセブン」というドラマが放映された。
ウルトラセブンの撮影裏話を、フィクションとしながらアンヌ隊員の視線で描いた作品である。
ここで、脚本家・金城哲夫の存在を知る。
「ウルトラ警備隊西へ」で神戸を攻める最強怪獣キングジョーは自分の名前から取った。
そもそも、ウルトラセブンはウルトラ兄弟ではなかった。
ウルトラマン一族と同じM78星雲が故郷だが、民族が違う。
製作企画時のタイトルは 「レッドマン」 だったのだ。
ゆえにウルトラマン一族と違って、赤地に白ラインだし、目は切れ長だし、カラータイマーがない。
ウルトラセブンは、ウルトラマンセブンではない。
なぜなら、ウルトラ警備隊の第7番目の隊員だからだ。(ウルトラマン一族と関係ない)
キリヤマ隊長以下、アマギ、ソガ、フルハシ、アンヌ、ダン、セブン となる。
「ウルトラマンタロウ」で6兄弟に編入させられた養子である。
金城哲夫は米国沖縄の出身。
沖縄にとって侵略者とは米国のはずである。
しかし、琉球王国が江戸時代に薩摩日本人に侵略されたとも言える。
琉球=ノンマルト、 日本=地球防衛軍、 米国=宇宙からの侵略者
最終回 「史上最大の戦略」 金城が作ったセリフ。
ダン 「アンヌ。 ボクはね、人間じゃないんだ。 ウルトラセブンなんだ。 ・・・ びっくりしただろ」
アンヌ 「ううん。 人間であろうと宇宙人であろうとダンはダンに変わりないじゃないの。」
ダン 「ボクは帰らなければならない。 一つの光が宇宙へ飛んで行く。 それがボクなんだよ。」
「私が愛したウルトラセブン」では描かれていない、その後の金城哲夫。
セブンを終えて円谷プロを退職。日本に返還された沖縄に帰った。 ウチナンチュの誇りを持って。
沖縄開発のために、1975年沖縄海洋博覧会のプロジェクトに参加し構成・演出を担当。
しかし、地元沖縄の人たちから、「海を汚す極悪人、沖縄を捨てた男」と非難される。
1976年、泥酔して帰宅したとき足を滑らせ転落。脳挫傷のため死去。享年37歳。
正義とは何か? 何のために生きるのか?
いつか、答えはみつかるだろうか?

