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2005年11月 4日

第6話:40人があっという間に・・・

『40人があっという間に・・・』

  リーダーズカレッジの1期生の定員40名はあっという間に埋まった。でも、参加してきたメンバーの多くは、「吉本興業という会社と繋がりを持ちたい」「吉本興業と仕事をするきっかけにしたい」という考えだった。わたしの「感じて、興味を持って動く人づくり」という思いなんてほとんどのメンバーにとって余計なお世話だった。たった月1回の1年間のカリキュラムなのに、いきなり暗礁に乗り上げた。

 必死で集めたステキな講師陣だったのに、みんなの反応はいまいち。「吉本のトップといつ会わせてくれるんですか?」などと言い出すメンバーも出てきた。月1回の講義だったのに4月に始まって、7月には、40人いたメンバーが半分しか出席してくれない状態になっていた。「なんで、こんなにステキな講師を集めてるのに・・・」。「わたしが、人材育成なんて思い上がりだったのかなあ?」どうしていいか分からなかった。


 でも、じっとしているのも悔しい。とにかく休んでるメンバーに会いに行った。ほんとにめちゃめちゃ言われた。

「吉本がやるって聞いてたたから、もっとおもしろいと思ってたのに・・・」
「別にすごい人の話なんて聞きたくないんだよね」
「仕事のメリットが無いんだよね」

なんでここまで言われなきゃならないんだろうと思うような言葉もいっぱい言われた。


 そんな中で、スポーツ振興という会社にいた28歳の井口くんが言ってくれた。当時、吉本興業は、スポーツ振興という会社のゴルフの会員権を持っていた。

「僕、会社で、副社長に言われて来ただけだけど、いろんな人と出会えるっていいですよね。もっと、楽しい企画を考えて、楽しみましょうよ」

と、彼が言ってくれた。「楽しみましょう」この一言が、わたしに少しだけ勇気をくれた。「そうだ、楽しく学べる場所にしょう」この頃から、わたしは、参加型の研修にこだわりだした。楽しくてためになって元気になる研修にこだわりだした。みんなの意見もどんどん聞くようにした。他の研修の情報も取って、できるだけ取り入れた。


 何人かは、途中からリーダーズカレッジに来なくなった。でも、残った20名ほどは、わたしにどんどん意見を言ってくれるようになって、自分たちで企画をしてくれるようになった。それどころか、一年が終わった3月には、「ほんまに、大谷さんだけやったら頼りないから、卒業しても、僕たちが手伝ってあげるよ」とまで言ってくれた。卒業式に、わたしは、嬉しくて泣いてばかりいた。


つづく

第7話:捨てるドキドキ、始めるワクワク

投稿者 admin : 15:59

2005年11月 2日

第5話:林社長だけが知らなかったリーダーズカレッジ

『林社長だけが知らなかったリーダーズカレッジ』

  自分の存在価値が分からなくなったわたしは、とにかく自分の周囲の人と違う人と出会いたかった。全く、知らない人と話をしてみたかった。そんな時に吉本興業が新しい本社ビルを建てた。そこには、とっても素敵な会議室も作られた。

 そんなある日、当時吉本興業の専務だった富井さんから電話が掛かってきた。

「会議室を使って、セミナーか何か企画したらどうや」

ピーンと来た。いろんな人が一緒に学ぶ場所にしょう。みんなが広い視野を持てるようにしよう。パソコン通信で知り合ったメンバーの力も借りて、講師も揃えた。当時、吉本興業の社長だった中邨氏は、

「ええこと思いついたなあ」

と、喜んでくれた。常務だった木村さんは、ヒントをくれた。

「やっぱり、世間を『あっ』と、言わせたほうがいいから、『総務もお金を儲けます』なんていいんじゃないか」

確かに、それならマスコミも食いついてくれそう。


「さすが、吉本興業。総務部もお金儲けを考える」
「吉本興業が人材育成」


ということで、マスコミは食いついてきた。各誌に取り上げられて、年間の受講料15万円の「よしもとリーダーズカレッジ」の定員の40人は、あっと言う間に埋まった。わたしは、やりたいことが見つかって、すごく楽しかった。


けれど、この時、わたしの知らないところで、とんでもないことが起こっていた。吉本興業の役員みんなが応援してくれて始めたはずの事業だったはずなのに、このことを当時の副社長林氏だけがこのことを知らなかった。と、いうか、ここが吉本らしいところで、みんなが林氏にだけ言うのを忘れていたらしい。

「わしは、吉本興業が教育なんて大反対だ」

林副社長のこの一言が発端で、吉本興業の一部の人からの風当たりが急に強くなった。わたしに関わって無いふりをする人も出てきた。でも、わたしは、後に引き下がれなかった。集まった40人をどうするかに必死だった。


つづく

第6話:40人があっという間に・・・

投稿者 admin : 12:58